13.考える時..


もし依頼されたデザインの仕事が「1対1」もしくは、それに近い形(※お客さんは一人で依頼主を挟んでデザイナー)ならまずは「使用するマテリアル(※18金、プラチナ、宝石等々)を確認」して「大まかな予算(※予算には通常最大値と希望値が存在する)」を聞いて「相手からの情報(※年齢、性別、趣味趣向、体格体型、リングサイズ等々)を直接もしくは間接的にゲット」して、おもむろにデザインに取りかかるのが大雑把な手順だと思います。

そして3〜5位のデザイン案を提示して相手さんが気に入れば、そのまま製作の仕事に移行しますし、修正個所が有れば、修正案(※修正したデザイン画)を提示して、それでも気に入らなければ更に再修正案を提示して、またまた駄目だったら再再修正案をアレして、しかしそれでもまったく駄目だったら「貴方はいったいココに何をしに来たのですか?」と真顔で質問しませう。。。オイ...

とまあ冗談はさておいて比較的生真面目で、仕事中も「ワイワイ」言ったりしない日本の職人さんですが、デザイナーと成ると話は変わって来て、基本的に話し好きで人を笑わすジョークを好む人が多い様に思いますが、同じ目的に向かう事の多いデザイナーと職人ですが、見かけから第一印象までずいぶんと違う様に感じます。

この辺りの事情は「人とのコミュニケーションも仕事の内」なデザイナーさんと「仕事内容を把握出来る程度のコミュニケーション能力」が有れば良い職人さんとの違いかも知れませんが、昨今では比較的明るくて、よく喋る職人さんが増えて来た様な気もするのですが、俺の周りだけでしょうか?(※15年前に職場で、大笑い&ジョークを連発するのは僕だけだった...)

とまあ、ええ感じに話が脱線しつつ有りますが(笑)デザインの仕事相手が組織とか会社に成り、不特定多数を相手にデザインすると成ると話は大きく変わって来ます。もちろんデザインする商品のコンセプトやターゲットと成るお客さんの年齢層など細かな設定も必要に成りますが、1対1の仕事だと直接相手に聞いたり相手を見れば分かる事でも「20〜30代、OL、独身」なんて情報を提示されても、そこからイメージを膨らませて行くには、実際問題としてはかなり無理が有ると僕は思います。

何故なら「OL」と一口に言っても北海道のそれと沖縄のそれには大きな隔たりが有るようにも感じますし、中には「離島のOL」とか「寂れた農村のOL」とか「大都会の雑踏に佇むOL」とか「堅いOL」から「柔らかなOL(※どんなだ?)」まで日本国内だけでも幅広く取りそろえておりますので、いかが致しましょうか?<知らんがな...

とまあ、上に書いた事を有る程度真剣に考えだすと切りが有りませんし、時間がいくら有っても足りない事にも成りますので「有る程度の決め打ち」をする必要が有ると思われます。で、決め打ちとは何かと言いますと、市場調査(※マーケットリサーチ)などと呼ばれるそれを利用して「20〜30代の仕事をしている女性がネットで一度に買い物をする金額の分布図」とか「現時点で彼女達が支持する生き方とかイメージリーダー(※女優とかの場合が多い)は誰か?」とか「今シーズンに好まれる色やテイストは?」なんて事を掛けれる経費の大小は有りますが、ゲットして自分の持つ情報と合わせて「この辺りのラインを狙おう」と成る訳です。



で、世の中には作用と反作用が有るように↑で書いた様な事を一切考えずにデザインする手法も有りまして、それは何かと言いますと「まったく自分以外の人の事など意に介さずにに自分のデザインしたいモノだけをデザインし作りたいモノだけを作る」と言うやり方です。もちろんこのやり方は様々な商売の法則を無視した方法で有り、皆さんにお勧め出来る様なやり方では有りませんが、一部の作家さんの中にはこのやり方で成功を収めている人も居られるので、一慨に無茶なやり方とは言えないとも思いますが。。。

もちろん「己が道を行く」式の方法にて成功を収めようと思ったら以前に話をした強力な販売力を持った組織なり人を確保するか?己のカリスマ性を発揮して自分の力で人々(※ファン)を集めて直接販売するしか方法は無く、自分自身の個性なり感性を切り売るみたいな事だと僕は思うのですが、昨今流行の「アーティストとかクリエーター(※日本語)」には到底成れない僕としては「指をくわえて高見の見物」と言った所デス。(^^ゞ

そして市場調査をしたり対象を決めてデザインラインを決め打ちするとしてもデザインと言う観点からは程度の大小は有れど「対象と成る人の事を考えるか?考えないか?」の二者択一しか無く、その辺りの判断は各々のデザイナーが置かれた立場とかそのデザイナーが製作よりなのか?デザインよりなのか?営業よりなのか?なんて事も関係してくる訳でして、一概に「これはこう!」みたいな事は言えませんが、全体の流れとしてはこんな感じだと思います。

そして今を去ること20年位前に宝飾系の卸し会社やメーカーさんが「卸ブランド」とか「メーカーブランド」と呼ばれるブランドを先を争って展開していた時期が有りまして、服飾で言う所のDCブランドみたいなのを作り出す試みだった訳ですが、当時の雑誌を見ると若手の名も無きジュエリーデザイナーがデザインしたラインナップの商品が見れたりもするのですが、考えてみたらジュエリーデザイナーを志す者にとっては夢の様な時期だったと思います(※あの人達は何処へ行ったのかなー?)。

しかし、新たなるブランド展開への挑戦はコピー全盛時代の宝飾業界の利益確保には繋がらなかったみたいで、結局の所「売れないから打ち切りと成った企画の墓場」と化し有名な服飾デザイナーを起用して一部売り上げを確保し成功した企業も有りましたが「オリジナリティが主体な業界への変貌」は成されないままにバブルを迎え「作ればなんでも売れる時代」を経て「ブランド名やデザイン性などの付加価値が有るか?余所より安価」な商品しか売れないご時世と成った訳ですが「安売りに走るか?もしくはユーザーが本当に良いと思えるモノや購入して得をしたと感じるモノを提供すれば良いだけだ」と言える時代なんだと僕は思います(※2005年現在)。


0.デザイン の 1.プロローグ 2.貴金属+宝石=? 3.に成る前に..
4.に必要な資質.. 5.何を考えて.. 6.の道のり.. 7.との出会い..
8.販売の魔力 9.環境の変化 10.状況に応じて 11.似合う臨界..
12.誰が為に.. 13.考える時.. 14.の引き出し.. 15.エピローグ

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