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僕の昔の知り合いのジュエリーデザイナーの話ですがサイズ直しや修理に簡単な作りを生業にする加工場でバイトしていた人がいます。その人はそこで5年ほど働いたらしいのですが、本人曰く「人が聞いたら吃驚するような時給だった」との事です。その後その人は結構な高額商品ばかりを扱う宝石店の店長に抜擢され、そこではデザインの多くを任されるほどに成ったのです。
しかし、その宝飾店は数年後に閉店し独立を余儀なくされた彼女は某卸屋の仕事を手伝いながら例によって自分で顧客を開拓して、デザインから販売までをこなす様に成ったのです。その間にジュエリーデザインコンテストで2〜3回入賞したりして、元々は主婦だったので旦那さんの収入が有ったから「吃驚する様な時給でも働く事が出来た」とも言えますし、生活費を全て稼ぐ必要の有る人なら出来なかったやり方だとは思います。
で、これまた僕の昔の知り合いで基本的には製作がメインの仕事ながら綺麗なデザイン画を描く事も出来る器用な人で、なかなか面白い経歴(※若い頃パリの安アパートにて絵描きに成りたい思っていたらギターが好きに成りギタリストを目指したけど帰国後にジュエリーと出会いジュエリー作家に成った)の持ち主でして、作るジュエリーも高額品が多くて作風もアーティスティックなモノだったのです。
その人とは取引先の会合(※商談を含めた)で何度か出会い、1〜2回、仕事もしたのですが、ある日「注文が来なくなった」との理由にて自分の工房をたたみ普通の加工場にて修理とかの仕事をしていたらしいのですが、知人の紹介にて中規模のメーカーに勤めたものの合理的な仕事の進め方に付いて行けずに、たまたま見つけた求人広告に応募して今では、関連はするモノの、作りやデザインとは無縁な職場にてサラリーマンとして働いているそうです。
この二者を比べると「明と暗」の様な気もしますが、後者には嫁や子供もおり、学費とか生活費を稼がないといけない立場で有り、前者には収入の有る旦那がおり二つのケースを同じと見なす事は出来ませんが、単純に能力値だけを見ると後者の方が凄い仕事をしていたりもします。で、たまに業界内部からも「給料が安くてやっていけない」とか「収入が減って廃業を考えている」などと言う話を聞くことが有るのですが、何か問題をはき違えている様にも僕は感じます。
もちろん人の一生には「運」と言う要素が付き物なのは理解してますし、個人の力ではどうにも成らない事もまま有りますが「生活出来なくなるのは生活力が無い」からで有り、直接自分の能力や才能とは関係無いと言う事です。そしてこの話に出てくる前者は子供を抱えて離婚するも積極的に顧客を開拓し自分で自分の食い扶持を確保しており、後者の方は仕事が無くなったな〜あ、と言うだけで何もアクションしなかった結果、仕事が有るだけましとは言え創作とは何の関係も無い職業を選択せざるを得なかったのです。
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