9.環境の変化


前回の書き様では論点が見えて来ないと言うか? 今一分かり辛い部分が多かったのでは?なんて思いましたが、気にせずに前に進みましょう(オイ..)と言うのもアレなので、少々解説をしますと、昔から「製造(※企画などのデザインを含む)と営業は仲が悪い」なんて言いますが、表層的には営業が多額の利益を組織なり会社にもたらすのに比べると製造のもたらす目に見える利益は少ないのが、原因の一つだと思います。<つまり稼ぐ営業が会社から重宝されたり評価され安いから。。

しかし、例えば自動車産業を例に挙げると「同業他社に差を付ける為に魅力的な新車を開発して円滑に製造する必要性が大きい為に企画製造部門も大切」だと言えると思うのですが、残念ながらこの法則は宝飾産業にはあまり当てはまらないと言う訳です。なぜなら「自社で苦労してデザインから量産まで手がけた商品があまり売れずに日本以外のアジアで生産された安価なコピー商品に方が売れる」と成ると安直な経営者成らずとも「じゃ、そっちを仕入れて売るか」と成りますよね?<僕は天の邪鬼なのか?そう成りませんでしたが…(あはは

つまり「売れる商品が良い商品(※有る意味正しいが、必ずしもユーザーの利益確保や販売者の評価には繋がらない…)」との認識がなされる業界の体質に問題が有る訳でして、高度成長期やバブル期ならいざ知らず長引く不況でモノが売れにくい状況では更にこの考え方に拍車がかかると思われます。では「だったら安価なコピー商品だけを販売すれば良いじゃないの?」と成るのですが、そうも行かない事情も有りまして(笑)。高額な宝石やお客から預かったそれを海外に持ち出す不安やら規格に合わない宝石(※いわゆる空枠に合わない宝石で、これが意外と多い)を自社で製品化する必要性も有ったりするから話がよけいにややこしく成ると言う訳です(笑)。

しかし、昨今では「自社ブランド」を売りにしている所も有りまして、製造は外注するにしても何らかのデザインを必要としている所も増えましたし、数年前から組織立ってリフォームビジネスに取り組む会社も目立って来ましたので、ますますジュエリーデザイナーの需要も増えつつ有るのか?なんて思われますが、一人のデザイナーに全てを任せて上手くいくモノでも無く(※ピカソの娘だったら別かも(笑))、かと言って複数のデザイナーを常駐させる余裕の有る所の方が、少ないと思われますので「接客する人(※売り子)がデザイナー」とか「商品管理する人がデザイナー」とか「制作する人がデザイナー」みたいな感じで「デザイン能力をも持ち合わせた人材」と言う辺りが現時点での落としどころかと思われます。



では何故に「一人のデザイナーに全て任せられないのか?」に付いて書いてみますが、今を去ること10年位前にとある老舗宝石店から仕事を貰っていた時にお店が抱えている一人のジュエリーデザイナーを名乗る女性と引き合わされた事が有りまして、その人のデザインライン?を知って、ちょっと吃驚した事が有りました。

その時に彼女の持っていたデザインブックを見せて貰ったのですが「なんと全てのジュエリーデザインに葡萄がモチーフに取り入れて有ったのです(本当)」で、僕が「これはブドウとブドウのツタですね...」なんて当たり前過ぎてこれまた吃驚する様なリアクションをしてると「私はね(※芝居がかった感じで…)葡萄が大好きなの!(※恍惚とした表情で…)ブドウなしのジュエリーデザインなんて、私には考えられないのよ!」などと仰る訳です、で「確か海外の有名ブランドでブドウモチーフのが有ったな」なんて考えていると、僕をその人に引き合わせた社長が「うちにはこんな困ったちゃんがいるから君、助けてよ」みたいな目で僕を見ていました(ほんとにココ読んで無いだろうな(汗)>皆さん)。

とまあ上に挙げたのは極端な例ですが、実際問題として僕自身も一つのデザインを短時間で仕上げるのが得意とは言え、自分自身で及第点を付ける事が出来るデザインと成ると最大でも週に一つ程度しか出せないと思える訳で、一つのデザイン案につき3〜5のデザインのバリエーションを提示する事は可能ですが、使えるのは一つ位だと思います。しかし、大きな所だと「一月で4〜5個の使えるデザイン案」だと足りないと思える訳で、更に「打ち出の小槌」みたいに次から次へとグッドデザインを思いつくデザイナーなんて現実問題として存在しないと思えるので一人のデザイナーに全てを任せるのは無理だと思える訳です。

但し例外も有りまして、ここにもう一人「毛色の違うデザイナーが存在する」場合だと、相乗効果が生まれるので「4+4=8」とは成らずに「4×4=16」位にまで出せるデザインの数が増えるのと「各々の得意分野の仕事を効率良くこなす事で、さらに生産性が上がる」との見方も出来ると思います。そしてたまにプロ野球の監督が「ピッチャーは何人いても困らない(※シーズン後半には足りなくなる)」なんて発言をしていますが、デザイナーも野球で言う所のピッチャーの様なモノで「何人いても困らない」と僕は思うのですが、現実問題として「そんなに大勢のデザイナーの食い扶持を確保することは無理」との見知から「デザイナーは何人いても困らないけど、お金が無いのは困った事だ(※私見)」なんてしみじみ感じ入ったり。。。


0.デザイン の 1.プロローグ 2.貴金属+宝石=? 3.に成る前に..
4.に必要な資質.. 5.何を考えて.. 6.の道のり.. 7.との出会い..
8.販売の魔力 9.環境の変化 10.状況に応じて 11.似合う臨界..
12.誰が為に.. 13.考える時.. 14.の引き出し.. 15.エピローグ

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